韓国の食品メーカーと公的な研究機関が一緒に取り組んだ研究で、この乳酸菌のグルテン分解パワーが認められ、共同で特許も取得しています。
特許公開番号:10-2019-0142263号
特許登録番号:10-2223309号
グルテンによる腸の炎症にやさしくアプローチ
グルテンに含まれる「グリアジン」が原因とされる腸の炎症に対して、「Dglu-GLU70 菌株」が予防や改善に効果があることが確認され、韓国の食品メーカーがその働きで特許を取得しました。
特許公開番号: 10-2020-0099311号
特許登録番号:10-2244007号
「Dglu-MB0601」菌株は、グルテン分解作用を持つ乳酸菌として、韓国にて特許を取得済みの機能性素材です。
この菌株を用いて処理した小麦粉と未処理の小麦粉を比較する8週間のマウス試験では、「Dglu-MB0601」菌株の含有量が多いほど、アミラーゼおよびガストリンの分泌量が増加することが確認されました。
特許公開番号: 10-2020-0099311号
特許登録番号:10-2244007号
「Dglu-MB0601 菌株」は、特許申請時の実験で小麦粉の生地に加えて発酵させたところ、グルテンを平均で最大約70%も分解できることが確認されました。
実験方法
「Dglu-MB0601 菌株」を使って発酵させた小麦粉(グルテンが分解された状態のもの)と、普通の小麦粉を混ぜ合わせたものを使って、飼料と一緒にマウスに餌として与える実験を行いました。
この混合飼料をマウスに約8週間にわたって食べさせ、その間に体調や変化がどう現れるかを丁寧に観察しました。
グルテンが分解された小麦粉と通常の小麦粉でマウスの血中濃度のホルモンなどの変化を測定しました。
実験結果
実験の結果、「Dglu-MB0601 菌株」で発酵させたグルテン分解小麦粉を使った餌を与えたマウスでは、その含有量が多くなるほど、胃の消化をサポートするホルモン「ガストリン」が血中で最大60%まで増加することが確認されました。また、炭水化物を分解する消化酵素「膵臓アミラーゼ」の分泌も最大で80%まで増加するという結果が得られました。
※ ガストリンは、胃の出口近くにある「G細胞」から分泌されるホルモンで、胃液の分泌を促して消化を助ける働きがあります。
※ 膵臓アミラーゼは、小麦粉に含まれる炭水化物を分解する役割を持つ酵素です。
このように、「Dglu-MB0601 菌株」でグルテンをあらかじめ分解して発酵させた小麦粉を摂取することで、アミラーゼ(グラフ1)やガストリン(グラフ2)の分泌が増えることが分かりました。
つまり、このグルテン分解小麦粉を食べることで、体の消化機能がより活発になり、消化をサポートする効果が期待できることが示されたのです。
グルテン分解試験
成績書
Test Report
グルテンの大幅減少結果
このグルテン分解乳酸菌を使用することで、パンなどの小麦粉製品に含まれるグルテン量を大幅に減少させることが確認されました。その効果を示す試験結果をご紹介します。
グルテン分解乳酸菌を添加して製造した
ベーグルのグルテン含有量
グルテン分解乳酸菌を添加せずに製造した
ベーグルのグルテン含有量
約46%のグルテン減少という優秀な菌の効能が確認!
未添加のベーグル:グルテン含有量 14,000mg/kg
グルテン分解乳酸菌を2%添加したベーグル:グルテン含有量 7,600mg/kg
グルテンによる腸の炎症を
やわらげる可能性
グルテンに含まれる成分「グリアジン」が原因とされる炎症性腸疾患について、「Dglu-GLU70 菌株」による予防や改善の効果が認められ、韓国の食品メーカーがこの働きに関して特許を取得しました。
特許公開番号: 10-2020-0099311号
特許登録番号:10-2244007号
「Dglu-GLU70 菌株」は、特許申請時の実験で、グルテンによって引き起こされる腸の粘膜のダメージをやわらげる効果があることが確認されました。
グルテンの成分「グリアジン」が原因となる炎症性腸疾患について、この菌株が予防や改善にも役立つ可能性があると認められ、韓国で特許を取得しています。
実験方法
「Dglu-GLU70 菌株」を、グリアジンを含むベーグルと一緒に混ぜた餌としてマウスに与え、その後「Veratox for Gliadin R5 Allergen」(Neogen No. 8510)という検査方法を使って、体内への影響を調べました。
※グリアジンは、小麦やライ麦、大麦などに含まれる「グルテン」の主な成分のひとつです。
※このグリアジンは、一部の人に見られるグルテン不耐症(セリアック病)などの原因物質のひとつとされ、腸に炎症を起こしてダメージを与えることがあります。
※今回の実験では、「Dglu-GLU70 菌株(プロバイオティクス)」が、グリアジンによる腸への負担をどれくらい軽くできるかを確認しました。
実験結果
この実験では、腸の組織にどのような変化が起きるのかを観察しました。正常なマウス(正常対照群/NC)の腸では、絨毛(じゅうもう)と呼ばれる腸のひだや、その根元にある「陰窩(いんか/crypt)」にも特に異常は見られませんでした。
一方で、グリアジンを含む通常の飼料を与えられたマウスでは、腸の中に炎症細胞が多く入り込んで、腸の表面の細胞が大きく傷つき、基底部には腫れ(浮腫)が見られるなど、かなりのダメージが確認されました。
Dglu-GLU70が損傷された
腸上皮細胞の変性抑制
次に、「Dglu-GLU70 菌株」を加えた餌を与えたマウスの様子を見てみると、菌株の濃度によって腸への影響が変わることがわかりました。
低濃度の「Dglu-GLU70 菌株」を摂取したグループでは、腸の表面の細胞に中程度のダメージと、基底部の腫れが見られたものの、グリアジンのみを摂取したグループよりも状態は改善していました。
高濃度の「Dglu-GLU70 菌株」を摂取したグループでは、腸の細胞にわずかな損傷が見られた程度で、それ以外の炎症や腫れなどの異常は確認されませんでした。腸の健康状態はほぼ正常に近いレベルに保たれていたのです。
これらの結果から、「Dglu-GLU70 菌株」には、グリアジンによって引き起こされる腸へのダメージを抑えるはたらきがあることが示されました。菌株の摂取量が多いほど、その効果も高まることが確認されています。
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